マイクロチップ騒動?記

2001年1月にリアンはアメリカのブリーダーの所で生まれました。
リアンが生まれるはるか数年前からずっと「いつか欲しい」と予約していて、ようやく仔犬を迎えられる状況になったので4ヶ月を過ぎたら引き取りに行くことになりました。
リアンを引き取りに行く直前まで何度も電話やメールで親元とはやりとりをしていて、そうだ、どうせならマイクロチップを入れてもらおう、と思いました。
一つは、個体識別として確実なこと。それと将来的にリアンを親元に戻す可能性が高いこと(アメリカでもショーに出してほしいという親元の希望)があったためでもありました。
アメリカに入国する犬には、マイクロチップが義務づけられています。(注:下記参照)日本ではまだ一般に普及しきっていないためにマイクロチップを打てる獣医さんが(マイクロチップの在庫を持っているという意味)限られているし、大きくなってから慌てて入れるよりもまだチビで訳のわからないうちに「ブチッ!」としてもらった方がいいかな?とも思い、早々に親元に頼みました。
「Can you microchip my puppy?」「Sure, no problem!」
というわけで、リアンは向こうにいる間にブチッ!っとされ、私はリアンを迎えに行った時に「これがナンバーだよ」と、チップの番号が印刷された小さいシールのつづりを受け取りました。裏には手書きで「Leanne」と書いてあります。

さて、問題は日本にやってきてしばらくしてから気づくことになります。

ネットでマイクロチップ関係をつらつら眺めていたら、どうもチップには国際規格とそうでない規格のものがあるらしい。
そういえば昔、アメリカでマイクロチップで迷子捜索の話などが出たときに、チップの会社ごとのリーダーでないと読めないとか、それだから各シェルターはメーカー数だけのリーダーを揃えなくてはならないから大変だとか、、、いろいろ聞いたのです。(約10年前の話/笑)
その後、こういうメーカー同士で互換性がないことを解消する目的もあって、国際規格ができたというようなことも耳にしたような覚えが。。(約5年ほど前の話)

そこで、リアンのチップはいったい何になっているの?という疑問が沸いてきたのです。
個体識別という意味では、例えばOFAへの各種検査登録の時に役立つ、つまり検査結果や繁殖した場合の記録に信憑性が出る。万一迷子になった時に誰かがリアンを拾って「うちの犬です」と主張されたとしてもチップで本当にそれがリアンなのか誰かさんの別の犬なのかがわかる、という程度にしか考えていませんでした。
けれど、規格は何? 今住んでいる日本のリーダーで読めるの? でも、そのリーダー、どこに行けばあるの?
これらの疑問を持ってから約1年後、知りあいの病院にリーダーがあると聞き、今年に入ってから試しに読めるかどうか行ってみました。

結果。読めない。。。。。。全然リーダーが反応せず、no chip と表示される始末。
その場にいた獣医師からは「本当に入ってるの?」とまで言われることに。。

それから数ヶ月後、もう一度ネットでチップ関係を調べて回り、リアンに「入っているはず」のAVID社のマイクロチップを取り扱っている会社をみつけたので、そこに問い合わせてみることにしました。
問い合わせた結果わかったことは、AVIDには、国際規格(ISO)ともう一つ、アメリカの独自規格がある。通常アメリカでチップを入れた場合はアメリカの規格なのでISOのリーダーでは読めない。だから、私が病院で試した時に読めなくても不思議はない、ということでした。(納得。しかし困るよね?)
当面の一番の問題である日本出国とアメリカ入国の際の問題を聞いてみたら、日本を出る場合は仮に読めなくても問題はないであろう。ただし、アメリカ入国の時に読めなければ問題になるはずです、とのこと。

こうなったら、本当にチップが入っているかどうか、ちゃんと読めるのかどうかをまず確認してみなくては、、と思い、代理店をやっている会社の方には迷惑をかけてしまうかもしれないと思いつつ、もしそちらにアメリカ規格のチップが読めるリーダーがあれば確認したいので犬を連れて出向いてもいいかどうかと尋ねてみました。
答えはすんなりOK。感謝感謝感謝!です。

こうして私はリアンを連れて共立商会まで足を運びました。
ところが最初に試した小さめのリーダーではあちこち探ってもどうしても読めません。一度だけリーダーが反応したのですが、何度試しても読まず、リアンは「ピッ、ピッ、ピピッ!」という具合に妙な電子音のするヘンテコな物で首から背中にかけて探られるのに驚いたのか、半分逃げ腰。
何度かやっても読めないので、これは本当に入っているのかな?と不安になってきました。やっぱりアメリカに電話して確認した方がいいのかしら?と。

ここまで来て会社の人の手まで煩らわせた上に読めないとは困った、と思ったのですが、最後に大きくて立派なリーダーが登場して、これで最終的にすぐに読み取れました。小さいリーダーでは反応が悪かったのかな?(謎)

あーよかった!ちゃんとチップ入ってた〜、読めた〜、というのが率直な感想。初めて見る番号にちょっと感激してしまいました。(笑)ちゃんと受け取ったシールと同じ番号だったし。(違っていたらどうしましょ?と実は思った、、、/苦笑)

すかさず証拠写真を撮り、お礼を言ってやれやれ、、、と仕事に戻りました。

さて、これでリアンはアメリカにいる間に万一迷子になってもチップさえ読んでもらえればなんとかなるでしょう。
問題は、、、、その後ずっと生涯を暮らすこの日本国内でどうするか?ですが、まぁ、そのへんは追々考えますわ。

今回、仕事の手を止めて単に「確認してみたいんです」という私の勝手なお願いを快く引き受けてくださった共立商会の皆さま、本当にありがとうございました。日本でもマイクロチップの普及が今後進むことを願っています。それと、願わくば「強引ぐ・マイ・ウェイ」のアメリカ合衆国さん、ISO規格を採用してくださいませ、です。

2004-3

(注)アメリカ入国とマイクロチップ義務は、ガセネタ?かもしれません。その後リアンを連れてアメリカに入る際は何もチェックなしでした。ただし、このへんは州によって違う可能性がありますので、アメリカに犬を連れていく場合は念のため確認をしてください。リアンが入国したのは、イリノイ州です。(オヘア国際空港)

2004-4

結局その後、新しい検疫システムに対応するためISO規格のチップをもうひとつ入れるハメになりました。(涙)海外でチップを入れる場合(特にアメリカ)チップの規格を確認してから入れる方が賢明だと思います。

2005-12

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