菜々子近況−ぷち老犬介護話

 菜々子は2004.11月に無事に14歳を迎えました。2000年に大きな病気をしてから、まぁ順当に、という感もありますが、実は2002年の暮れから2003年の春先まで、実はあまり体調のすぐれない時期がありました。

 最初の不調は、2002年11月頃。一晩のうちに熱を出し、自力で立てないほどになり(もちろん食欲なし)具合が一気に悪くなった夜中、私はこのまま死なれるのではないかと本気で心配になったほどでした。熱が下がらないので、冷蔵庫からアイスパックをいくつも取りだしてタオルにくるんで菜々子の体の上に敷き詰めて(苦笑)一晩過ごしました。そのまま翌朝一番で病院に担ぎ込みました。幸いなことに、一日点滴でなんとかもちこたえました。具合が急に悪くなった本当の原因はよくわかりませんでしたが、その後の血液検査結果(抗体検査結果)から、軽いジステンパーにかかったのではないか?という疑いがあります。当時はまだ、2000年6月に発症した血小板減少症の治療のために免疫抑制をかけていたため、通常、定期的に予防接種をしている犬であれば問題なかったのが、免疫力低下でやられたようです。いずれにしても軽く済んで助かりました。

 その後、可もなく不可もなく、という感じでしたが加齢ゆえか、今度は足腰がだいぶ怪しくなってしまいました。

 一番ひどかったのが、2003年の3月頃。もう足腰ガタガタという感じで、普通に歩いていてもちょっと速足になるとよろけたり、階段を上がれないということが度々ありました。近所の獣医さんから「痛みがあるようなら緑イ貝とキチンキトサンがよい」と聞いて、早々に犬用の緑イ貝のサプリメント(グリーンリップド・マッセル)を食事に混ぜ、キチンキトサンは犬用がみつからなかったので薬局で人間用のサプリメントとして売っているものを与え始めました。正直、両方とも高いサプリメントです。(こういう時に、犬関係物販屋をやっていて助かります/苦笑)実はそれまでも、人間用ですがコンドロイチンやグルコサミンのサプリメントをやっていたのですが、どうもそれが効いているという実感はありませんでした。ところが、グリーンリップド・マッセルとキチンキトサン、それから某メーカー(ア○ダーム)の「アクティブケア」というフードを混ぜるようになったら、よろけて歩いていた菜々子がシャキ!っとしてびっくり。
 サプリメントに対する見解は人それぞれ、獣医師それぞれで、気休めにしかならないという方もいますが、菜々子の場合、これらはテキメンに効きました。高齢犬で、足腰が弱って、特に痛みがありそうな子は、試してみるといいと思います。

 そんなこんなをやり過ごしての14歳です。足腰は、だいぶサプリメントなどのおかげかそこそこ良く、調子がいい時は走っていますし、階段もスタスタ上がっていきます。ただし今度は目の白内障がだいぶ進んでしまって、薄暗くなると階段を降りられないことが多くなりました。今では、夜のトイレの時はほとんど私が抱えて階段を降りています。登る方はタイミングが合わなかったり、滑るような所では上がれないことがあり、私が支えるか、急いでいる時は面倒なので担ぎ上げています。(苦笑)

 まだ本格的な老犬介護ではないのですが、膀胱の括約筋の力が落ちたのか、尿洩れをするようになりました。トイレの間隔も短くなり、水の飲み方にもよりますが、ひどい時は「ミルク飲み人形」状態。(って、若い方はわかるかしら?)用心のために、だいたい3時間置きにトイレに外に出すようになっています。おかげで昼間は時計と常ににらめっこ。●時にトイレに行ったから、次は○時だ、という具合です。(これが忙しい時はちょっと辛い/苦笑)自覚がある時は、菜々子の方から「トイレに行きたい」と訴えてきますが、気をつけねばならないのは、そういうこともせずにぐっすりと寝ている時など。うっかりするとそのまんま漏らしていることがありますので、寝ているのを起こすのはかわいそうなどとは思わず、時間になれば文字通り叩き起こしてトイレに連れていきます。
 夜はさすがにそこまでできないので、夜中に最後のトイレに出したら仕方がないのでオムツです。夜は本人(犬)も寝ていることが多い、つまり頻繁に水を飲むこともないので昼間よりもトイレの間隔は長いのですが、朝うっかり寝坊したり、普段より(私が)ぐっすり長く寝るとオモラシしていることがあるため、用心のオムツです。寝坊がなければオムツが濡れていることもない、という程度でまだ済んでいます。
 オムツを使うのは、あと、長時間どうしても犬達だけで留守番をする時。なんせ、トイレ間隔3時間なので昼間の長時間お留守番は無理です。なるべくオムツに頼りたくないので昼間一緒にいる間はどんなに忙しくてもトイレに出すか、連れて出ていかれる時は頑張って連れて出ているものの、それができない日というのが何ヶ月かに1日はでてきてしまいます。「悪いねぇ」と言いながらオムツ姿の菜々子を置いていくわけですが、菜々子自身が全くオムツなどに違和感を覚えずにずっとそのままでいてくれることにはかなり助かっています。(これ、たぶんリアンでは無理)

 オムツは当初、ペットシーツに尻尾の穴を開けて、シーズン用のパンツをオムツカバー替わりにして使っていました。ホームセンターでペット用オムツを見たのですが、値段が割高な上にペットシーツがちょっと厚手になった程度だったので、だったらペットシーツでいいか、と思って使っていました。ところが、菜々子並の体格だと(体高58cm弱、体重21キロ程度)オモラシもかなりの量になります。ペットシーツはびっしょり、おまけに菜々子のお尻もベタベタとなってしまいました。何かいいものはないか?と思って幼児用のパンツ型の紙おむつに穴を開けて試してみたら、これがなかなか良い感触でしたので、とりあえずはこれをしばらく使っていました。けれど、これも難点は値段が割高なこと。子供のパンツ型オムツが使えるなら、大人のオムツが使えるのではないかと思い、今は老人介護用の紙オムツを使っています。

 大人の紙オムツもパンツ型があるのですが、やはり値段が高いので、シーツタイプの物に穴を開けて、シーズン用のパンツをオムツカバーにしています。これは、実はかなりのヒットでした。大人用ですから、当然子供よりも尿の量が多いことが想定されています。菜々子のお漏らしの量が多くてもまず安心です。それと、これは子供用もそうだったのですが、何よりも毛が汚れません。このへんは女性用生理パッドでもさんざん研究された成果か、一旦吸収した水分が逆戻りせずお肌が常に清潔に保たれるよう工夫された成果だと思います。もし、今老犬介護などで犬のオムツが必要な方に、この老人用紙オムツはおすすめです。小型犬であれば、赤ちゃん用、あるいは生理パッドの夜用でも間に合うかもしれません。ディスカウントショップなどでお徳用が安く出ていることがありますので、尻尾の穴を開ける手間はあるけれど、試してみてください。なお、老人用も「尿2回分」とか「3回分」と種類があり、当然、3回分の方が生地が厚く、穴を開けるのが大変ですが。(苦笑)ちなみに今菜々子は、2回分を使っています。
 左の写真は参考物件。シーズンパンツに安全ピンで留めています。これから老犬介護で必要になるかもしれない方の参考にでもなれば幸いです。

 菜々子は今のところトイレの問題と、時々調子が悪いと(?)階段が登りづらくなる以外は、特に問題はなさそうな感じです。ただ、先にも書いたようにだいぶ目は不自由になってきたのか、外でボール遊びをしても、見失うことがかなり多くなりました。その見失うというのも、はるか何メーターも先に行ったボールがわからなくなる、ではなくて、ほんの手前のボールがもう見つけられないということがよくあります。実はこの2年ほど、足腰にガタがきているというのに体力や年齢を顧みずに本気でダッシュするのでボール遊びは手元の1〜2メーターの範囲でしかやっていません。
 暗やみで階段が降りづらいだけでなく、夜散歩に出すとうっかりすると物にぶつかるようになりました。特に左目がダメなようで、左側の自転車に気づかずぶつかってうろたえる、ということがよくあり、夜になってから外を歩き回ることはやめています。もっとも昼間でも長距離を歩けないので、せいぜい「そのへん一周」程度の散歩しかできなくなりましたが。(悲)

 菜々子の場合、幸いにしてまだ耳が健全なのが救いです。小声で呼んでもちゃんと聞こえています。若い頃に比べたら格段に運動量も減っているというのに、お腹だけは自動的にすくようで、食欲旺盛。しかしながら、胃腸も年相応に弱っているようで、欲しがるからと普段より多めに食べさせてしまうと、出てくるものが怪しくなりがちです。このへんの手加減にはそんなんで、気をつけています。思ったほど太らないので、ある程度食べさせてあげたいという気もあるのだけれど。。。

 消化関係では、2004年9月に起こしたブロートの時に手術をして胃を固定してから大きな問題はなくなりました。手術をする前までは過去あり得なかったような頻度で下痢をしていたこともあるのですが、それだけ胃腸が弱っていたのだろうと思います。ちなみに、若い頃、一年に一度下痢をすればそれは多い方でした。手術に至るまでの間に、1週間に1度くらい下痢とか、それが数日続くということがありました。手術の際に胃の一部が壊死したりしていたことがわかり、それらはきれいに取り除かれています。手術以降、ブロートの不安がなくなったことは何よりも私にとってありがたいことです。

 今の菜々子のその日の調子は、朝トイレに出した時に予測します。階段をスタスタと自力で難なく降り、家に入る時もすいすいと上がっていくようなら今日は調子がいい、という具合です。ちょっと調子が悪い、あるいはタイミングがあわなくてスムーズに階段を上がれないという時は、片手で上半身を胸の下から支え、もう一方の手でお尻を軽く押すようにすると軽々と自力で上がっていくことがよくあります。これでも無理な場合は、それぞれの手にもっと力を入れて、胸とお尻から体を支え上げるようにしています。それでもうまく上がれない時は、抱きかかえて上がります。今リアンがそうしているように、若い頃はこの階段も4段くらい平気ですっ飛ばして飛んで上がっていたのですが、年老いた分、仕方がないですね。(リアンもいずれこうなるんだろうなぁ。)

 しかし、外見上では(毛量も若い頃に比べて半分くらい?減りましたけれど)まだまだ若く見えます。年齢を聞かれて14歳と言うと驚かれることもしばしばあります。今年一年でどのくらい変化するのか予測はできませんが、できるだけ楽しめる範囲で無理なく自分の足で歩いてもらいたいものです。本音は、必要以上に頑張らなくてもいいから、私にあまり負担かけないでね、というところかな?(苦笑)

2005-1

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