今年の PCA では、去年会った友人達との再会も楽しみの一つでした。
 左の写真の人物は Pat Aloe Stauber。同じ VIP のメンバーでもあり、昔、スタンダードの血統のことで私に手紙をくれた人物です。それとは知らず、私は彼女と去年リングサイドで話をしていて、日本に戻った後から「あぁ、あの時の手紙の主だ」と悟った次第でした。去年の PCA で、コーディッドの話をしてくれたのも、その後、自分が飼っていたコーディッド・プードルの写真や毛を送ってくれたのもこの Pat です。

 アリゾナから一人で車を運転してくる彼女は、実は78歳。膝を痛めてしまってアジリティは今年はやっていませんでしたが、こうして杖を手に今年もオビディエンスにはチャレンジしに来ていました。去年、新しい犬(スタンダード)が欲しいと言っていた彼女、今年ついに一頭手に入れることになったとかで、目を輝かせながらその話をしてくれました。年齢を感じさせないパワーとチャレンジ精神、そしてその意欲には頭が下がります。
 実は、彼女は非常にオシャレで、今回写真を撮りそこねたことが残念だったのですが、この翌日のスタイルがまたかわいくて素敵でした。写真ではわかりませんが、そのシルバーヘアーをきらきらと光るスパンコールのスプレーでさりげなく飾っていました。

 さて、肝心のオビディエンスですが、私は今年、去年ほど真面目に見ていませんでした。見ているよりもリングサイドで人としゃべっている時間の方が長かったような。。。去年はユーティリティのリングの前でずっと座って見ていたのですが、今回は、エントリーしている友人達以外はあまり真面目に見ていません。
 Pat が連れている三二は、非常にかわいい子で課目もよくこなすのですが、ヒーリングの時に何を勘違いしたのか途中で立ち止まって考え込んでしまい、その後も遅れ気味に遠慮がちに遅れながら歩いて、ちょっとうまくいかないようでした。

 Retrieve over high jump - スタンダードとミニ。
 どうしても小さい子がやる姿がかわいくて、気がつくとミニばかりの写真を撮っていました。
 オビディエンスは午後3時からのスタートで、午前中は PCA 主催のセミナーがありました。
 去年はオビディエンスのセミナーに出たのですが、やはり地元(アメリカ)でやっていない私にはイマイチ(ルールが違うし、実際に関わっていない分、参考程度にへぇ〜!と話を聞くだけになってしまう)だったため、今年は PCA Foundation 主催のセミナーの方に出ました。今年のセミナーは、21世紀へ向けて、とでも言ったらいいのでしょうか。スライドによるプレゼンテーションと、パネルディスカッションを中心にしたものでした。
 パネルディスカッションの出席者は、PCA 会長の Mrs. Anne Rogers Clark、スウェーデン、オーストラリア、イギリスから各一名の4名です。話題の中心になったのは、遺伝性疾患に対する取り組みなどですが、この中で一番厳しい態度で臨んでいるのがスウェーデン。両親犬が股関節など主要疾患のテストをパスしないと繁殖どころか血統登録もできない、という話にセミナー会場にいた人達からため息と同時に大きな拍手が起こりました。
 ただ、私としては(一緒に聞いていた友人も昼食の時に同じことを言っていた)ある程度わかりきっている話ばかりで、正直、期待していたほど面白いと思える内容ではありませんでした。前日までの疲れや時差ボケの寝不足もあって、後半の半分くらいは実は居眠りしてしまいました。去年の alternative のセミナー(あまりの寒さに私は逃げ出したけど)の方が面白くて有意義だったという感想が多かったのは事実のようです。こんなんだったら obedience study group に行けばよかったなぁー、と、実は少々後悔しました。
 午後はセミナーが全部終り切らないうちに、早めにショーサイトに移動しました。3時スタートのオビディエンスは、延々と夜7時くらいまで続きます。今年は滞在場所がショーサイトから遠い(約1時間のドライブ)こともあり、夜遅くなって道に迷いたくないし、翌日のオス犬の審査に今回居候をしている家の犬が出陳するので、今夜はグルーミングを家主はしているはずです。居候として先日に引き続き手伝いをするつもりでもいたので、早めに帰りました。
 今年のオビディエンスには、ブレースの出陳が一組もなく、それがちょっと残念でした。正式なクラスにはなっていないそうですが、見ていてとても面白いので、またそれが見られるのでは?と、ちょっと期待していたのですけれど。(ブレース・オビディエンスの様子は去年の報告を見てくださいね)

 上の写真は、「sit-stay」の図。out of sight stay もそうなのですが、AKC オビディエンスの課目の中で地味ながら意外と難しいだろうと私が思うのはこういった課目です。日本の場合、「待て」は全部犬一頭だけで待つのですが、AKC では、そのクラスにエントリーしている犬達が一同に介して並んで待つのです。菜々子みたいにヨソの子が気になる犬にはきっと試練が多いはず、といつも感じています。


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