若年性腎疾患=Juvenile Renal Disease / Dysplasia (JRD)
若年性腎疾患とは、その名のとおり「若年齢」=子犬の時期から発症する腎臓の病気です。先天性腎形成不全(異形成)と言われることもあり、多くの犬種にみられます。 腎疾患は症状が進むと嘔吐、体重減少、食欲減退、嗜眠、筋力の低下といった症状が見られるようになります。最終的には腎不全を起して亡くなってしまうわけですが、問題はこうした腎疾患が大人の犬ではなく極若年齢の子犬のうちから引き起こされ、健康であれば命を失うことなどまず考えないような1〜3歳齢で亡くなってしまう、ということです。スタンダード・プードルにおいてこの若年性腎疾患は遺伝的な問題であると認識されています。 スタンダードプードルにおける若年性腎疾患に関して問題提起をし、血統データベースを作り、各方面に働き掛けたのがスーザン・フライシャーです。1990年に愛犬のジョージを若年性腎疾患のために21ヶ月という若さで安楽死せざるを得なくなったことが、彼女がこの遺伝性の腎疾患に取り組むきっかけになりました。 カナダDogeneによるJRDの遺伝子検査と遺伝モード 2007年3月、カナダのDogene Inc. が、JRDの遺伝子検査を開発し、サービスを開始すると発表しました。 通常の優性遺伝の場合、キャリアの存在はなく、両親それぞれからひとつずつ受け継ぐ遺伝子のうち、片方だけでも病気の因子を持った変異遺伝子であれば発症します。しかし「不完全浸透度」をもつため本来ならば1つの変異遺伝子で発症するはずの優性遺伝であっても、必ずしもJRDを発症するとは限りません。それゆえにDogene の遺伝子診断では、本来優性遺伝の場合使われない「キャリア」という判定表現を用いているものと思われます。 遺伝に関する参考URL:メルクマニュアル家庭版 gooヘルスケア 遺伝子検査とその結果、信憑性について Dogeneでは、スタンダードプードルだけでなく、ボクサー、ラサアプソ、ミニチュア・シュナウザー、シーズー、ソフトコーティッド・ウィートンテリア、ケアンテリア、ラブラドール・レトリバーのJRDの遺伝子検査が可能となっています。 しかしながら、Dogene における検査の信憑性に関して、もう少し様子を見て待った方がよいのではないかという意見がアメリカで出始めてきています。その理由のひとつが、Dogeneから正式な獣医学会においてこの遺伝子検査に関する研究発表などがない、というものです。この理由をもってOFAも現時点で、JRDの遺伝子検査のデータベース登録は行っていません。 私のところでは、リアン、ジャニス、ケイトの親子の検査をした結果、親のリアンがキャリア、ジャニスがクリア、ケイトがキャリアという判定になりました。先に書いたように、ラボの発表通り優性遺伝であれば検査時点で6歳のリアンが今、何がしか病気の影響を受けていてもおかしくないところですが、現時点では病気の疑いすらもありません。 -------------------------------------------------------------------------------------- 現時点において、JRD DNA テストの信憑性に関してこちらで100%の保証はできませんので、テストをするかどうかはご自身の判断で行ってください。テストに関する問いあわせは、直接カナダのDogeneの方にしていただけると幸いです。 Reference:Juvenile Renal Disease In Standard Poodles(スーザンのページ) dogenes.Inc **************************************************************** Copyright (c) 2000-2007, Phoebe N. Habu, all right reserved. |
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