展覧会2日目になるこの日は、メス各クラスの審査です。 日本では、オス犬の方がおおかた出陳数が多いのですが、アメリカではどの犬種でもメスの方が断然、数が多いのです。そんなんで当然のようにスタンダードの出陳数は前日よりも多く、本当に関心するというか、私はまさに10年分くらいの数の犬をこの2日で見てきたと思います。 |
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リングサイドでは、おもしろい人達とも出会いました。 Cookie Man というニックネームの人がいて、彼は毎日リングサイドでたくさん写真を取ってはすぐに翌日、でき上がったものを持ってきてみんなに配っていました。この人、趣味で犬も人も食べられるというクッキーを手作りしているそうで、私ももらって食べてみましたが、ホントにこれ犬にやって平気?というくらい甘かったのがちょっと気掛かりではありました。 それはともかく、連日、即でき上がった写真を持ってくるので、どこで現像してもらっているのかを聞きました。Motor Photo という、1時間で仕上げるチェーン店があるそうです。最初、彼に撮り終えたロールを預けるから現像してきてもらえないかどうか頼んでみたのですが、私が抱えている機材一式を見て何か事故があったら責任持てないから、と丁重に断られてしまいました。私が抱えていたのはオートの一眼レフと少々大きめの望遠レンズだけなんですが。(実は、外付けのフラッシュを持っていくのを忘れた。日本に戻ってから現像してみたらたいした写真ないんですけど)。聞けば隣の州(Pennsylvania)から通ってきているとのことで、誰かに聞けば近くに Motor Photo があると思うから、と言うので聞いてはみたのですが、近くになさそうでしたので諦めて全部日本に戻ってから現像しました。アメリカで現像してもらうと写真の大きさが日本のサービス版よりも大きい(だいたいハガキ大)ので、そんなに高くなければいる間に少しでも現像しておきたかったんですけどね。スーパーの DPE の窓口のようなところは場合によってはあまり信頼できないとのことでした。 午後、すぐ近くに座っていた、オビディエンスの界隈ではちょっと知られた顔の女性(Ms. Pat Aloe Stauber)とオシャベリをしていました。この方、なんと御年77歳。バリバリの現役です。当然、アジリティもオビディエンスも出ていました。VIP が2年前に作ったプードルのビデオの中でもミニチュアと一緒に出てきています。彼女がトライアルなどで着ているプードルの刺繍やアップリケのたくさん付いた衣装は、ご本人の手作りでそれがまたカワイイ。ミニを膝に抱いて熱心にスタンダードを見ていたので話しかけたのですがスゴイなぁと思ったのは、77でもまだ先への意欲と熱意が熱いというところ。スタンダードのプロ・ハンドラーで、アレカイ犬舎の Wendell Sammet という超有名人がいるのですが、彼も70を越しているそうです。今回、結構アレカイの犬は成績がよくて、そんな話をしていたら「アレカイの犬は能力がかなり高いのでそのうちに私はウェンデルのところから、一頭犬が欲しいのよ」とおっしゃる。うーーん、80も近いおばぁちゃんのセリフと思うと。。。もし私が80歳目前になったその時でもスタンダードの仔犬を新たに持とうと思うだらうか。。。前日のオビディエンスでは思うようにできなかったところがあって、自分としては全く納得できていない、あなた、あのヒドイところを見た?私はまだそのショックから完全に立ち直れないのよ、とまでおっしゃる。いやぁ、もう日本でこの年の人が訓練競技会に出てきたらそれだけでスーパーばぁちゃんモノですよね。話をしていて、私も70になっても現役でやりたいなぁ、と思ってしまいました。 |
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このおばぁちゃんと雑談をしていた日、スタンダードのリングではちょっとした騒ぎ?がありました。あれだけアメリカで数がいるスタンダードの中でも非常に珍しいコーディッド・コートのプードル(Corded coat)が出たのです。ハンドラーが白のコーディッドを連れてリングに入った途端、周辺からは歓声が上がりました。(参考:コーディッド・プードルについて)
Corded というのは毛の状態のことで、プーリーやコモンドールのように縦ロールで毛がコード状に絡まった状態になります。17年ほど前にブラックのスタンダードがコーディッド・コートで PCAに出てきて話題になったことがあり(Hasting's Ten)その犬のブリーダー兼ハンドラーのインタビューが専門誌に出たほどでした。その後、ボツボツとコーディッドもショーイングされているようですが、今回、こうして間近で見られるとは思いませんでした。 例のおばぁちゃん曰く、彼女が今まで見たどのコーディッドよりも毛の状態が一番きれいでいいとのこと。よくよく話を聞いてみたら、昔、彼女自身がアプリコットのコーディッドのスタンダードを飼っていたことがあるんだそうです。後日、その犬の写真と、なんと切り取ったそのコーディッドの毛を送ってきてくれました。最初、封筒から毛が出てきた時は何でヒモが入っているんだろうと思ったほどです。少しウーリーで毛が完全にお互いで絡まって一本の「コード」になっています。 実は、今回の PCA では他にももう二頭コーディッドのスタンダードがいました。一頭は男の人が連れていたペットスタイルの犬で、この犬の場合はコードが非常に太くまるでドレッドヘアという感じでした。他のもう一頭は最終日に出てきたブラック。この犬を引いていたのが、昔話題になった Hasting's Ten をショーイングしていた本人でした。 |
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日本ではおそらくコーディッドは紹介されたことがないと思うので致し方ないとは思いますが、実は、このコーディッドが出てきた時にリング周辺で一番奇声を上げて集団で大騒ぎしていたのは、我がニッポンからご見学に来ていた若い人々でした。正直、日本人としてちょっぴり恥ずかしかったです。 「なになになに、あれーぇ!みてぇーー!」「あんなのありぃ〜〜?!うっそぉー!」と叫ぶ前にお勉強してください。AKC breed standard にコーディッド・コートは記載されていますし、私が持っている古いJKC 犬種標準でも「縄状毛」と記載があるんですが。ちょっとは気の利いたプードルの本を見れば、必ずコーディッドについて書かれているはずなんですけどねぇ。 右の犬が、ちょうど19世紀の絵画に描かれたような、長いコードの毛をしたペットスタイルの犬。その下が、翌日リングに出てきた犬です。この犬は、Award of Merit を取りました。 |
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左は、シルバーベージュのスタンダード。トイでは私も見たことがありますが、スタンダードはもちろん初めて。周囲の人達もスタンダードでこの毛色は非常に珍しいと言っていました。 独特の美しい毛色が写真で100%正確に表現できないのが残念です。 |
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