その名前のとおり血中の血小板が減少する病気です。血小板がなくなってしまうため、出血すると血が止まらなくなり失血死する場合があります。
原 因 血小板が減少する原因として、書籍などには、ウィルス感染、薬物中毒、白血病、ウィルス感染、また、エストロゲン(未避妊のメス)や自己免疫介在などとされていますが、多くの場合不明とされています。 薬物及び、ワクチン接種が血小板減少症を誘発するとされていますが、Dr. Feldman によると獣医学分野においてはそれほど多くはなく、不適切もしくは不十分な診断がなされている可能性があるとのことで、薬物やワクチンと血小板減少症の関連は逸話的なものであって、科学的な研究による証明はなされていないとのことです。また、免疫介在性も本当の自己免疫性は少ないとのことです。 症 状 血小板数が30,000を切ると臨床兆候=粘膜や皮膚の点状出血、鼻出血、歯肉出血が表れます。腸管出血を起こした場合真っ黒な血便となります。(鮮血の場合は粘膜出血)急速に発病した場合、血小板数は高くても臨床兆候をみることがあるので注意が必要とされます。(点状出血の写真) 治 療 出血がみられる場合、安静が必要で、ステロイド療法(副腎皮質ホルモン剤の投与)が最も一般的に行われます。 病気の発症と遺伝的な関わり(疑問) この病気について「白い犬に多い」ということは、一般の獣医師の口からよく聞く言葉でした。しかしながら、私ができる範囲で調べた限りにおいて、遺伝的要素、特に「毛色の白い犬との関連性」に関する文献は今のところ全く見当りません。唯一「最新 犬のお医者さん」という本に『日本では、マルチーズに遺伝的と思われる突発性血小板減少性紫斑病がみられます』という記述があるだけですが、これについても私ができる範囲でインターネットなどで調べた結果、マルチーズと血小板減少症を結びつけるものは見つかりませんでした。血液学の専門家である Dr. Feldman にこの点について尋ねたところ、彼自身も白い犬とこの病気の関連性ということについては聞いたことがないという話です。 この病気と遺伝的な関わり、犬種特異性など、もし何かご存知の方、文献をお持ちの方がいましたら個人的に興味がありますので是非ご連絡ください。 菜々子のケース 2000年6月、菜々子がこの血小板減少症になりました。次ページでその経過についてご紹介します。 2001-6 |
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参考文献: The Poodle Owner's Medical Manual/Robert M. Brown, D.V.M., (c) 1987 by Breed Manual Publications, Ltd. 最新 犬のお医者さん 1995/主婦と生活社発行 臨床病理学セミナーハンドアウト Dr. Bernard Feldman, (c) 2001 社団法人日本動物病院福祉協会 |
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