PRA(Progressive Retinal Atrophy)
進行性網膜委縮症

 トイ・ミニチュア・スタンダード全てのバラエティにみられる遺伝性の眼疾患。

 徐々に網膜が委縮し、最終的には失明する病気。初期症状として夜盲症がみらる場合がある。徐々に昼間でも視覚的な問題が生じて、ついには失明に至る。

遺伝形態:
 常染色体性単純劣性遺伝。
 両親犬の両方がPRAキャリア、あるいはPRAであると、生まれてくる仔犬はPRAに侵されることになる。

診断方法:ERG(網膜電位図)もしくは、検眼鏡を用いる

診断年齢:個体により差があるが、ある程度の年齢(5〜6歳以上)に見られる場合がある。

治療方法:なし

 繁殖に用いる犬および用いる予定の犬はすべて、毎年一度眼科専門の獣医師によって眼検診をするべきで、その結果、眼に異常のない犬のみが繁殖に用いられるべきである。眼検診の結果が正常であっても、その親から生まれた仔犬がPRAである場合、その親犬は「PRAキャリア」ということになります。繁殖を計画する際は、キャリアの犬とキャリアの犬を交配するようなことにならないよう、慎重を期する必要があります。
 キャリア同士の親犬から生まれる仔犬の50%がキャリアとなり、25%がPRAを発症する(盲目となる)ことになります。
 なお、眼科検診で可能なのは、診断時点において「正常か」「異常か」のみの判定で、キャリアの判定はできません。

一部の犬種(プードルも含む)では、PRAの遺伝子検査(DNAテスト)が可能となり、キャリアの特定ができるようになっています。

DNAテストについての詳細はこちらへ。

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 プードルにおいて、遺伝性の眼疾患はPRAだけではありません。アメリカにはかつて CERF (Canine Eye Registration Foundation) という団体があり、PRAをはじめ犬の遺伝性眼疾患についての検査・登録をしていました。CERF の定める眼科医のもとで年一度検査を受け、その時点でクリアであれば証明登録番号が与えられます。股関節の証明などとは違い、この証明の有効期限は発行から1年で、毎年検査することがすすめられています。現在、CERF が行っていた眼科検診と登録は、OFAに引き継がれています。
 眼底検査、眼検診は日本でも獣医眼科専門医や大学病院などで可能です。獣医眼科専門医については、こちらへ。 私が眼科検診でお世話になっているのは、こちらの病院です。


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